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2019.05.29
プレスリリース
Gunosyの研究論文がデータマイニングの国際会議「KDD2019」にて採択
株式会社Gunosy(本社:東京都港区、代表取締役CEO:竹谷祐哉、以下、Gunosy)は、Gunosy内の「Gunosy Tech Lab(読み:グノシー テック ラボ、以下、同ラボ)」にて、「広告クリエイティブ作成支援のためのマルチタスク学習とConditional AttentionによるCV予測」(原題:Conversion Prediction Using Multi-task Conditional Attention Networks to Support the Creation of Effective Ad Creatives)の研究結果を発表した論文が、データマイニングに関する国際会議ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining 2019 (KDD 2019)のApplied Data Science Trackに採択されたことをお知らせいたします。
KDDは、データマイニングに関する国際会議の1つであり、データマイニング領域では世界一の注目度、難易度を誇る会議とされています。第25回目となる2019年の会議はアラスカ州アンカレッジにて8月4日から8日まで開催される予定です。
■研究背景
Gunosyでは「情報を世界中の⼈に最適に届ける」というビジョンのもと、メディアの開発・運営を通じて、「Gunosy Ads」や「Gunosy Ad Network」等の広告事業も行っております。広告主の皆様からはディスプレイ広告における広告クリエイティブ作成をする際、コンバージョン(※1、以下 CV)が多い広告は効果が高く、CVが多く発生するクリエイティブを作成したいという声が多くあります。CVはユーザーが広告をクリックしなければ発生しないため、広告のClick Through Rate (※2、以下 CTR)が高くなるように作成・運用をしています。CTRのみ高めることに注力してしまうと、CVが少ないクリエイティブを生み出してしまう可能性があり、効果の高いクリエイティブ作成は難しく、コストも大きくなってしまいます。
広告事業を行っているGunosyのミッションとして、広告主の皆様に配信効果の高いクリエイティブ作成支援は重要であり、クリエイティブの良さを事前に推定できるよう、テキストを対象としたクリエイティブの評価の研究を進めて参りました。
(※1)アプリのインストールや商品購入を指す
(※2)クリックスルーレート:表示された広告がクリックされる割合のこと
■論文概要
本研究は当社の学生インターンである北田 俊輔 氏と研究開発チームの関 喜史によって行われ、論文は北田氏の指導教員である法政大学 彌冨 仁 教授と共に執筆されました。
今回採択された論文「Conversion Prediction Using Multi-task Conditional Attention Networks to Support the Creation of Effective Ad Creatives」では、クリエイティブテキストからの特徴を抽出し、マルチタスク学習を用いた予測精度の向上、Conditional Attentionを用いた広告属性に対する動的なAttentionの適用を「グノシー」で配信された広告クリエイティブ14,000件を用いて評価した結果を報告しています。
結論として、クリエイティブの効果を正確に予測する枠組みを提案し、マルチタスク学習を用いてCVと同時にクリックを同時に学習させることで予測精度の向上を確認しました。また、動的にAttentionを割り当てるConditional Attention機構を提案し、これを用いて予測精度の向上も確認しました。またConditional Attentionによって広告属性に応じた重要語の可視化を行えることを確認し、クリエイティブの作成支援を行える可能性を示唆しました。当社では、この結果を活用したクリエイティブ作成支援機能の開発を検討しています。
Gunosyは今後も社会的課題に対する研究を続けるとともに、広告分野でも引き続きプロダクトの改善を行い、よりよいサービス提供を行っていけるよう開発を進めて参ります。